『濡れた髪だとパーマ感は出るが乾くとパーマ感が弱くなるのはなぜ?』
A 濡れた時にパーマの反応がたくさん作用するからです
はい、まだまだ意味がわからないので、付け加えて説明させていただきます。そもそもこの質問は先日は初めてご来店されたお客様から出ました。こんなエピソードです。
「前回初めてパーマをかけました。担当した美容師さんにスタイリングしてもらった時はうまくまっていたけど、自分で乾かしてスタイリングするとパーマがうまくセットできません。
これって乾かし方がわるいのでしょうか?特に前髪と、もみあげが弱い気がします。他でかけ直した方がよいですか?」ということでした。
スタイリングも含めてお話をさせていただきます。まずパーマについての豆知識。パーマは大きく分けると、コールドパーマ(基本あたためず、濡れている状態)とホットパーマ(デジタルパーマ、エアウェーブ等)というものがあります。
今回は一番オーソドックスなパーマなコールドについてです。パーマを髪にかけた際に起きる反応が4つあるのですが、特に深い反応が3つあります。それは
①水素結合、②イオン結合、③S-S結合(シスチン結合) の3つになります。①の反応は髪が濡れる、乾くで普段から起きている反応、②と③に関してはパーマ液をつけた時に起きる反応です。
コールドパーマは濡れた状態でかけるパーマなので、濡れた状態で①、②、③の3つが反応している状態。乾いた状態では濡れているに対して逆の反応なので、①の水素結合がうまく反応してない状態といえます。髪の内部では②、③の反応起きているが①の反応が少なく、パーマの動きが減ってしまうことになります。③S-S結合はちゃんと反応していても元々の状態に対して20%しか作用できないと言われています。そういった意味で髪の見た目に関しては濡れているか、乾いているかで大きく変わります。
そして「前髪」と「もみあげ」のかかりが悪かったということですが、多くの場合、前髪は他の髪の毛に比べてパーマをかける時、髪を巻きつける棒(ロッド)に巻きつける回転数が少ないです。回転数を増やすと「ちりちり」になるリスクが大きくなり、ブロー等しても希望どおりになりづらいこともあります。そのため、美容師はゆるめに提案させていただくことが多いです。そこの部分の兼ね合いをお客様とお話した方がよいですね。
もみあげに関してはもしかすると、他の部分より髪質が丈夫で、薬の浸透が周りの髪に比べて弱かった可能性もあります。髪が丈夫過ぎたり、表面に薬の浸透を阻害する薬剤がついているとパーマの浸透が弱くなります。そうすると表面は作用しているので、一時かかったようにみえるのですが、内部まで浸透していないため、持ちが弱いということにつながる時もあります。そこを見極めるためにお客様に細かくお聞きしたり、日々努力し研究しています。このように同じくパーマが弱く感じる場合でも原因はいくつか有ります。ロッドの回転数が少ない、実は乾かし方でうまくできることもある。そもそも薬の浸透が弱い等。そこは気兼ねなく美容師に一度時間取ってもらい、しっかり相談しましょう。かけ直す方がよいのか、それともドライヤーの使い方、スタイリング剤、ムース?ワックス?ヘアミルク?などで対応できるのかなど。
まとめると、
濡れた時の方が髪の毛に対して反応がたくさんおきているからパーマ感がよく出る。
かかりが弱い時は、美容師にもう一度相談しましょう。
パーマは非常に経験と技術が求められます。同じお客様を何年担当しても毎回同じかけ方が通用するとは限りません。私もそのつど良く考えて提案させてもらっています。しかしこのように繊細な判断がもとめられるので掛け直しも当然あることです。そしてこれまでの経緯が重要になってくることもあるので、他の担当者に掛け直ししてもらうというよりは、まずスタイリングの仕方の相談ぐらいで美容師に連絡を取ると気兼ねなく相談できると思います。ご参考までに
では!