『最近◯◯◯というかカラー剤を使うと◯◯◯という色が出しやすいという記事が多くて気になる』

『最近◯◯◯というかカラー剤を使うと◯◯◯という色が出しやすいという記事が多くて気になる』

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プロフィール:美容室『カミカガク」代表 佐藤 友紀

『美容のこだわり』

■基本を大切に新しく、扱いやすいスタイルを提案すること。

■くせ毛を楽しんでいただけるようにすること。くせ毛×くせ毛用パーマ、くせ毛専用トリートメント考案。

体験いただいているお客様からは定評があり、リピーター多数。

■ヘアカラーの色味にこだわっています。一度に混ぜるカラー剤数地域NO1。

ちょっと新しいを楽しむ美容をコンセプトに、丁寧なカウンセリングを重視した小さな美容室を経営。

「美容室で米ぬか?」伝統を取り入れ優しい施術を提案。

約4年間長岡で修行後、関東へ。前職で約8年従事後、伝統ある長岡市千手の長生橋通りに美容室を出店。

髪のクセ(特性)を活かすための提案を大切に、ヘアースタイルは「お任せオーダー」をする顧客が多い。

いつもとは違った新しいスタイルにしてみませんか??

趣味:ホームページづくり、ランニング、ボルタリング、男料理、ロードバイク

 

先日、高明度、高色彩の、アッシュ、マット系のカラーが染まりづらく染まりやすくするためにはどういう発想が必要か記事にしたところ。アクセス数が多かったです。

この、この流行色に対する興味の高さをあらためて認識しました。最近はピンク、ヴァイオレット系の2017年ver.が出てきていますが根強いですね。

そもそも、記事にしたきっかけは、美容意識、関心が高い系のお客様からの質問がきっかけでした。

日頃より美容師業界の情報チェックされていて、流行の色を出すためにどんな薬剤が美容師の中で使われているか調べ、流行のカラー剤を使っていて、流行の色を染めることを売りにしているサロンに行って施術したところ、グレージュ感が「物足りなかった」というお話がきっかけでした。

「ちゃんと調べて、サロンを選んだつもりだけど染まりづらいのなんで?」という質問でした。

参考にしている写真を見せてもらい、お客様の髪質みさせていただきました。

髪質が良く、しっかりしたボリューム感とツヤ感がありました。そして、髪の本質的に「赤味が強い」(地毛の色素中に含まれている色味成分の比率)という感じでした。そしてとても素敵な状態の髪質の分だけ髪の表面のバリア機能が強く、薬剤をはじきやすいのかな?という印象です。

そして、ちょっと蛇足ですが、写真の撮り方で光を強く使っている感じがしたので、髪色をみる時、「同じように強い光で透けるようにしないと同じように見えづらいかもですね!」というお話もしました・・・

しかし、何にせよグレージュ感がもっとでたほうが、お客様が嬉しいのは事実です!!

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こういう髪質の場合は緻密に薬剤を選定し、施術行程を考えて行う必要があると考えています。現在、雑誌、ネット、ブログ等様々な媒体で

◯◯◯というかカラー剤を使うと◯◯◯という色が出しやすい

的な文章をよくみます。私も使っていたり、使ったことがある薬剤も当然あります。そのカラー剤の得意な領域も当然あります。

しかし、残念ながらどんな場合も対応できる完璧なカラー剤は存在しないと思います。だからこそ、薬剤の配合や施術プロセスを美容師が考え、お客様の希望をくみ取り提案するのだと思います。

同じように考えると例えば、市販されているカラー剤を使えば箱に記載されている色、仕上がりに100人いたら、100人がなるわけではありません。

「どのカラー剤のどんなところを活かすために使い、さらにこれを配合して希望色に近づけていく」が良い考えだと思っています。なのでいかにアッシュ、マット、グレージュなどの発色に長けていたとしてもただ使えばなるではなく、使い手の使いこなしによるところだと思います。

逆を言えばそれらのカラー剤でない物を使って希望色になることも大いにあるということです。あくまでカラー剤は手段であり、目的ではありません。

私の場合、こだわりを持って一色のカラー剤をつくる時に、わりと多くの種類のカラー剤を調合してつくりだすことがあります。お客様の要望に応えるために考え、導き出した答えが調合でした。

これまで勤めた職場では一色を作り出すのに多くの種類の薬剤を調合する、塗り分けを行う等の行為に対して、多くの批判が出たこともありました。混ぜたり、考えたりする時間が無駄。行程を増やすことは悪でしか無い。など。ただイタズラにコスト(材料費、時間、人件費等)をかけるのはプロしてよくないと思います。

しかし、お客様がその対価を感じてくださり、その施術にかかる料金に適正さを感じていただいた場合は価値があると思います。

流行りにのること自体に善悪は無いと思います。思考の停止はよくないと思って美容に私は取り組んでいます。

また、行きたくなる美容室の魅力は何か。美容師として自分のこだわりは何か。しっかり、常に考えて取り組みます。